歯列矯正をしようかなと考えて調べているとマウスピース矯正という言葉を最近よく目にするかと思います。マウスピース矯正とは何なのか?普通の歯列矯正治療とどう違うのか?などの様々な疑問があると思います。
今回はそんな様々な疑問に対して大きく分けて4つに分けて説明して解決していこうと思います。
マウスピース矯正とはブラケットを装着して行う普通の矯正とは異なり、ブラケットをつけずにマウスピースをずっとつけてるだけで矯正が完了する矯正治療です。ブラケットを付けないので目立ちませんし、マウスピースをするだけなので簡単な矯正です。マウスピース矯正は初めに現在の歯列を型取りして歯列が理想の歯列になった状態をシミュレーションします。現在の歯の大きさに対する顎の大きさなどからコンピューターが計算を行い、どこに歯を配置すればきれいに並ぶかを出してくれます。その状態から逆算していき歯をどう動かせばいいかを計算して、段階的に歯が動いた後のマウスピースを付けることによって歯に力がかかり、歯が動いていくという仕組みで矯正が進んでいきます。進行が思うようにいかなかったり、遅かった場合は途中で再び型取りを行うことでずれを修正します。
マウスピース矯正について仕組みは分かったと思います。では、メリットを詳しく書いていきます。
一つ目は必要な処置が型取りしかないことです。処置が型取りしかないため、ブラケットを付けたりワイヤーを付け替えたりする必要がないため、一回にかかる治療時間は少ないです。
二つ目はマウスピースを付けるだけなので矯正していることが目立たないことです。歯列矯正治療はブラケットを付けるため目立ちますし、食事中以外はゴムをかけていないといけないですが、マウスピース矯正はマウスピースをはめるだけなのでとても簡単です。
三つ目がコンピューターで計算してくれるため、矯正専門医の先生がいないところでも受けることができることが挙げられます。今は矯正専門医の先生も増えてきて、歯列矯正治療を行ってない医院は少なくなってきていますが、マウスピース矯正は矯正専門医の先生がいない医院でも受けられるため、選べる医院の選択肢が多いこともメリットです。
マウスピース矯正はメリットが非常に多く魅力的に感じたかもしれませんが、ここからはデメリットについて書いていこうと思います。
マウスピース矯正はコンピューターが計算してくれるので専門医の先生でなくてもできると説明しましたが、矯正治療に専門医があるのは専門の知識が必要であるからです。それをコンピュータに計算だけで行うのは限界があります。そのため、思ったように矯正が進まない、噛みづらくなったなどが起きることがあることがデメリットになります。
また、マウスピースで矯正を行うと歯の出ている部分にしか力がかからないため、てこの原理で歯の根っこに大きな力がかかり、根っこが短くなったり、最悪の場合は歯が抜けてしまったりするリスクがあります。ブラケットは実はしっかり調整すれば根っこにもうまく力を伝えることができるので、そのリスクをだいぶ抑えることができます。
以上のような観点からマウスピース矯正は歯列矯正がうまくいかないリスクが高いことがデメリットと言えます。
メリット・デメリットについて書いてきましたが、実際はどんな方はやらないほうがいいのかについて書いていきます。
デメリットに書きましたが、マウスピース矯正にはうまくいかないリスクをはらんでいます。したがって歯列矯正治療でしっかり噛めるようになりたい方や複雑な歯並びをしていてきれいに並ぶのが難しそうな方はやらないほうがいいと考えます。
また、一度歯列矯正をしていてうまくいかなかった方は絶対にやらないほうがいいです。ブラケットを用いて並ばなかった歯列をマウスピースできれいにできる可能性は0に近いです。
今回はマウスピース矯正について書いていきました。手軽にできてある程度なら歯が並びますので、あまり目立つ方法で矯正をしたくない、少しでも見た目が気になる方は試してみる価値はあると思います。しかし、マウスピース矯正が矯正治療において最適な方法であることは絶対にないことだけは念頭に置いておいてください。皆さんが後悔しない歯列矯正治療を行えることを願っております。