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辛くない歯列矯正治療とは?

 矯正治療って痛くて食べれないとよく効きませんか?実際矯正治療は歯を引っ張って位置を動かすため、痛くて食べられないことがあります。

 しかし、歯につける矯正装置の種類によっては痛みが軽減するとしたらどうでしょうか?今回はそんな夢のようなブラケットであるデーモンブラケットについて書いていきます。

①ブラケットとは?

 そもそもブラケットとは何かについて説明していきます。ブラケットとは歯列矯正治療の時に用いる器具で歯に取り付ける銀色の四角い形をしたものです。ここに動かしい形に曲げたワイヤーを固定することによって、ワイヤーが元に戻ろうとする力が働き、歯が動いて歯列がきれいに並んでいきます。またブラケット同士にゴムをかけることによって歯を引っ張り出すことも可能です。

 

②ブラケットによって違いはあるの?

 ブラケットに必要な機能は歯にしっかり固定される機能、ワイヤーを固定する機能、ゴムをかけられる機能の三つがあれば大丈夫です。ではブラケットによって何が違うのでしょうか?歯に固定する機能はブラケットがある程度の大きさであればつける接着剤はほとんど差がありません。ゴムをかける機能も引っかかる場所を作ってあげればいので差はないです。

 ブラケットによって差があるのはワイヤーを固定する機能です!何が違うかというと、先ほども説明した通り、基本的に歯列矯正治療はワイヤーを理想の形に曲げてそのワイヤーの形に歯が並んでくることで動かしていきます。この際にブラケットがワイヤーをどう固定するのかが大事になってきます。

 

③デーモンブラケットはどこがすごいの?

 ワイヤーを固定する機能が違うと説明しましたが、具体的に何が違うのかというと、ブラケットのワイヤーを固定する力とワイヤーを固定するために通すスロットと呼ばれる部分の向きが違います。

 まずは固定する力の強さについて説明していきます。通常のブラケットはワイヤーを固定するスロットという通り道がついていてそこにワイヤーを入れたら、細いワイヤーでぐるぐると巻いてスロットからワイヤーが外れないように固定します。一方でデーモンのワイヤーはスロットにスライドドアのようなものがついており、ワイヤーをスロットに嵌めたら、スライドドアのようなものを閉めて固定します。ワイヤーでぐるぐる巻きつけることがないのでかかる力が小さいうえに、専用のワイヤーを通すのでしっかり固定されます。そのため、過度な力が歯にかかりにくくなり、歯列矯正治療中も痛みが少なくなります。

 次にスロットの方向です。通常のブラケットは前歯と奥歯で形は多少異なりますが、基本的には似たような形をしており、ワイヤーを通すスロットは真ん中にあります。そのため、ワイヤーを理想の歯並びに変えていくために細かく曲げて、動いたらまた曲げてを繰り返していきます。曲げるたびに歯にすごい力がかかるので痛みが出てしまいます。その一方で、デーモンブラケットは歯の種類ごとにブラケットの形とワイヤーを通すスロットがブラケットに対しての角度が変わっています。これはスロットが水平になった時に歯がきれいに並ぶように設計されているためです。そのため、ワイヤーを曲げる必要がなくワイヤーをセットするだけで矯正が進んでいきます。ワイヤーを曲げないので歯にかかる負担が少なく、痛みが少ない矯正治療が行えます。

 

④ワイヤーによる違い?

 ワイヤーをセットするだけで矯正が進むと説明しましたが、普通のワイヤーではセットするだけで矯正は進みません。専用のワイヤーがあります。専用のワイヤーで矯正治療を行うことでより痛みが少ない歯列矯正が行えます。

 では、専用のワイヤーとはいったいどんな特徴があるのかについて説明していきます。まず通常のワイヤーですが、先ほども説明した通り歯の並んでいる状況に応じて曲げていく必要があります。また、ブラケットに装着したときに曲げた部分が変形してしまうとうまく歯が並ばないので、硬くて丈夫なワイヤーを用いる必要があります。

 一方でデーモンブラケットの専用のワイヤーは曲げる必要がなく、きれいなアーチを描いた形をしています。メガネなどに用いられている形状記憶合金でできていて、形状記憶をしているので、ブラケットに装着して曲がった状態になっても徐々にきれいなアーチに戻ろうとする力がかかります。そのため、装着したときに一番力がかかるということがなく、弱い力がワイヤーが元の形に戻るまでずっと一定にかかり続けます。そのため歯にかかる負担が減りワイヤーをつけても痛みが少ないです。形状記憶合金のもう一つの特徴としてとても曲がりやすいという性質があるため、歯がすごくガタガタに並んでいる状態でもワイヤーをつけることができます。一方で硬さがないため、ある程度までは歯を動かしてくれますが途中で歯を動かすほどの力が足りなくなって動かなくなってしまいます。そのため、定期的にワイヤーの太さを太くすることによって硬さを出して並ぶようにしていきます。最初から太いワイヤーを使うと痛いうえに歯がガタガタすぎるとワイヤーをつけることができない可能性があるので、徐々に太くしていきます。

 

⑤まとめ

 デーモンブラケットがどのようなメリットがあるかについて書いていきました。デーモンブラケットは痛みが少ない歯列矯正治療には必須のブラケットになっています。また特殊な形をしているため、装着するときはとても緻密に装着しなくてはなりません。装着の仕方についてはこちらで説明していますので、是非合わせてごらんください。皆さんがつらくない歯列矯正治療を受けていただけたらと思います。